【長い時を超え】ペストの時代に使われていた「ワインの窓」がコロナ時代に復活!

歴史的遺構が再び実用化!
コロナウイルスが蔓延する前なら、今回とりあげるものは単なる”歴史的な遺産”としか扱われなかったかもしれない。まさか、これが再び実用化されるとは思わなかっただろう。

ワインを持った手がにゅっと出てくる小さな窓。これはイタリア・フィレンツェの街角に16世紀から残る、「ワインの窓」と呼ばれる遺構である。

この窓の当初の用途は、ワインの販売。それまで貴族の収入源として扱われており小売はしていなかったというが、17世紀に襲った不景気が転機となり、窓から直接市民にも売り出されるようになったという。

これは400年以上昔、ヨーロッパ全域で猛威を振るったペストが蔓延していた時代にも、感染対策として転用されていた。この頃からソーシャルディスタンスが守られていたのだ。

大きさはおよそ20センチほどで、ワイングラスがちょうど通るほどの大きさ。やがて、ペストの収束や1966年に発生した大洪水とともに使われなくなり、撤去されたり閉じられるようになったという。

そこからはるかなる時を超え、やってきたコロナ時代。イタリアはロックダウン規制も段階的に緩和されたが、現在もソーシャルディスタンスや手指の消毒が呼びかけられている。

これを受け、地元「ワインの窓協会」は「この期間中、フィレンツェでワインの窓を持っている方の中には、過去に戻る気分でワイングラス、コーヒー、ドリンク、サンドイッチ、アイスクリームなどを窓を使用して提供しています。衛生的かつ非接触です!」とウェブサイトに掲載。ワインの窓が復活していることをアピールした。

同協会の会長によると、アンティノリ、フレスコバルティ、リカソリといった地元名産のワイナリーも窓をつけており、扉をノックするとボトルを購入できる仕組みとなっているという。

伝染病によって苦境を強いられている昨今だが、同時に過去の文化や歴史を体感した方もいるのではないだろうか。